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「いつも冗談ばっか言って、皆の人気者で

Le 27/12/2024

「いつも冗談ばっか言って、皆の人気者で、気さくで優しくて強くてとっても格好いんだよ!それが藤堂平助!藤堂さんは裏切ったわけじゃない!」

市村は美海をチラッと見る。今にも泣きそうな顔に市村はオロオロしだした。

「せ先輩

そうだよ。藤堂さんは裏切ったわけじゃない。

「沖田さん!」

「はい?」

沖田は微笑みながら首を傾げた。

「ちょっと厠行ってきます」

美海はキリッとした顔で言った。

「ついていかないで大丈夫ですか?」

コクリと美海は頷いた。

「いってらっしゃい」

ガラッ

パタン

美海の走り去る音が聞こえた。

「あの沖田隊長

申し訳なさそうに市村は立っている。

「あそこまで言うと妬けるなぁ」【改善脫髮】四招避開活髮療程陷阱,正確生髮! -

沖田は困ったように笑った。

本当に静かな夜だ。

現在時刻はとっくに12時を回っていた。

もう日が変わったのだ。

油小路周辺の家々は眠っているわけではない。今回は新撰組貸し切りだ。

その家々の一角。

……遅いな」

「直に来るだろ」

油小路の御陵衛士一掃に抜擢されたのは皮肉なことに原田、永倉だった。

仲間の最期は仲間の手で。

そういう意味ではない。

近藤は別の意味で二人を選抜した。

恐らく二人もちゃんと理解している。

…………

珍しく原田は静かだ。

原田は暗殺は今回二回目である。

もっとも、新撰組側はいつもの羽織なのだが、もはやここまで人数がいると暗殺ではない。

永倉は真っ直ぐ外を見ていた。

相変わらず景色は変わらない。

お願いだ。来ないでくれ。平助!

二人共、そう願わずにはいられない。

だが言葉には出さない。

しかし、そんな儚い願いは簡単に裏切られた。

「隊長!」

隣の隊士が小声でつついてくる。

永倉と原田は顔を上げた。

……来たな」

油小路の四つ辻の真ん中では、今来たであろう御陵衛士が駕籠に伊東を入れている。

平助は!?

必死に目で探す。

いるのは他の御陵衛士だけで、駕籠の前で泣いている。

原田は気色を明るくした。

「しんぱっ「いや。いる」

永倉は四つ辻から目を離さない。

「え?」

原田が目をやると、角から藤堂が現れた。

「く

原田は顔を歪めた。

永倉は表情を変えない。

藤堂は伊東の亡骸を前に、泣くどころか悲しむ素振りさえ見せなかった。

藤堂は真ん中に立った。

「いるんでしょ?」

シンッ

息さえできない。

そのくらい空気は重い。

別に藤堂は殺気を込めているわけではない。

逆に、もう人形のように目が虚ろなのだ。

「相手になるよ。出てきなよ」

藤堂が続ける。

永倉は左右の隊士に頷いた。

油小路での全指揮は永倉と原田にある。

ザッ

民家から隊士がわらっと出た。

その数約40

永倉と原田は中にいるままだ。

それを見ると、しゃがみ込んでいた御陵衛士も涙を拭って立ち上がった。

人数に差がありすぎる。

だが双方負けるつもりはない。

池田屋でも浪士は約30、新撰組は約5人だったが、勝利を手にした。

どうなるかは分からない。

「知らない顔が多いけど、本気で来なよ?」

実は、今回の油小路に向かったのは大体が新参隊士なのだ。

藤堂達には会ったことがなかったため、実力がどれ程か全く分からない状態だ。

「わしの望みは、姫様のお子を

Le 18/11/2024

「わしの望みは、姫様のお子を、この手に抱くことであった」

二人が立つ一丈ほど下の潅木の根元を縫うように、山案山子がするすると横切った。

「帝から、姫様を女御にと望まれた」

あごを上げ、老臣に目をやった。

老臣は、うつろな目で前方を見やっていた。

「姫様の評判が、内裏に届いていても不思議ではない。むろん、今上帝の生母であり主人の伯母君からの推挙もあろうがな」

国司が、この地に流された理由の一つが、先の帝に矢を射かけたことだと訊いている。

今生帝は、そのような男の姫をそばに置こうというのか。人の考えることが理解できなかった。

それを察したように老臣が続けた。

「権勢を欲しいままにする左大臣を牽制する意味もあるのだろう。とはいえ、大変な名誉だ……若すぎると思うやも知れぬが、十や十二での入内も珍しいことではない」

言葉とは裏腹に老臣は沈痛な表情を浮かべていた。【改善脫髮】四招避開活髮療程陷阱,正確生髮! -

イダテンの視線に気がつくと、老臣は、ああ、とつぶやいた。

言葉の意味が分からないと思ったのだろう。

「われらでいうところの妻だと思えば良い……しかし、帝には、すでに后がおいでになる」

そんなことが訊きたいのではない。

「断ることもできようが……そのようなことをしたらどのようなことになるか……大臣の位にない者の姫君を女御とするのは異例のことだ。帝の御不興はいうまでもなく、左大臣が、それを利用して、さらに追い討ちをかけてこよう」

それを俺に話してどうなるというのだ。

……主人を追い落とした左大臣にも姫君がある。当然、入内させるつもりであろう」

だが、老臣はイダテンの気持ちに気づく様子もない。「たしかに、姫様が子をなし、その子が皇子で、やがて帝に即位しようものなら、主人を失脚させた左大臣を……あの男を追い落とせよう――主人は、この話に舞いあがっている。これで都に帰ることができようと。が、ことはそのように単純ではない……左大臣の権勢には、今や、帝と言えども逆らえぬ。何よりも……

老臣の顔がゆがんだ。

「姫様が入内しようものなら……万が一にも、子をなさぬようにと、あらゆる手を打ってくるだろう」

毒を盛られると言うのだろう。

イダテンとおばばも、それで殺されかけたことがある。

左大臣とやらが命じなくても、その意を酌んで動く者もいるにちがいない。

老臣のこめかみの血の管が膨れ上がった。

「国親の動きも活発になってきた。近隣の郷司、保司に頻繁に人をやり、贈り物などを届けておるようだ。その折に、繋ぎをつけておるに違いない」

ありもせぬ謀反を収めたとして、うまい汁を吸った男だ。

二度目があっても不思議ではない。

だが、繰り返せば疑われるのではないか。

老臣は、わかっているとでもいうようにうなずいた。

「国親の郎党どもが、領地も荘園も増えたというのに、われらの実入りが増える様子もない、と、愚痴をこぼしておる……戦の支度じゃ。馬や鎧に銭をかけておるに違いない」

老臣が何を言いたいかは予測がつく。が、あえて問うた。

「国司が都に帰るとなれば、考え直すのではないか」

イダテンの言葉に老臣は首を振った。「左大臣は帰したくないのじゃ。国親は、それを承知で動いておるのだ。左大臣とつなぎをとっているとみて間違いあるまい……

そもそも左大臣は、姫の父をこの地にとどめるつもりなどなかったのだ――船越の郷司一党を葬った国親を焚きつければ、すぐに片がつくと思っていたに違いない。

しかし、国親は動けなかった。

イダテンの母の呪詛に倒れたからだ。

愚痴を聞かせるために呼び出したのではあるまい。

にもかかわらず、老臣は、東に見える御山荘山の稜線に目をやったまま黙り込んだ。

しばらくして、誰に聞かせるふうでもなく呟いた。

「姫様は、この世に生を受け、名を与えられたそのときより、その呪力に縛られたのだ」

そして、向き直った。

挑むような、その目は血走っていた。

確か信長は、あの折にこんな

Le 24/07/2024

確か信長は、あの折にこんな事を言っていた。

いつひょっこりと、うつけな儂が顔を出して来て、とんでもない大事を引き起こすか分からぬ

そうなった時は、その刀を抜いて、うつけとなった儂を諌めて欲しい。無論、万が一の時は儂を刺し殺しても構わぬ

と。

まさか信長は、葬儀の場での無礼な行いを恥じて、自分を刺してくれとでも頼みに来たのだろうか !?

意外と律儀なところがある信長の事だ、有り得ない話とは言い難い。【改善脫髮】四招避開活髮療程陷阱,正確生髮! -

「如何した?急に黙しおって」

いえ」

「妙なおなごよのう。──まぁ良い。とにかく、その刀をこちらへ」

「え!?

「儂はその刀を

そう話しながら、信長が短刀を奪おうと手を伸ばしてくる。

濃姫は思わず差し出した短刀を引っ込め、力強くかぶりを振った。

「なりませぬ!そのような事!」

「ならぬじゃと?」

「確かに、先達てのご葬儀の場での殿のお振る舞いは、遺憾極まりないものでございました!

ございましたが、だからと言って、これしき事で死の道を選ぶ必要などございますまい!

あれはきっと、殿なりの深いお考えがあった上での行いであると、亡き大殿様も空の上からお分かりに──

「葬儀の場?死の道? お濃、そなたの考え違いは甚だしいのう」

信長は軽快な笑い声を立てると

「儂はそなたから、その短刀を譲り受けたいだけじゃ」

─?

「聞こえなんだか? その短刀が欲しいと申しておるのだ」

仄かに笑みの残る真面目顔で、濃姫をひたと見つめた。

姫の整った眉が怪訝そうに寄る。

何故 信長が突然そんな事を言い出したのか、俄に見当が付かなかった。

彼への信頼と忠誠の証として、短刀を信長に預けようとした事もあったが、

濃姫の心情を思いやってか、信長本人の手から一度返されているのだ。

それを今また、何故欲しいなどと言うのか…?

「畏れながら。如何なる理由で、この刀をご所望あそばされまする?」

「何故訊く? 一度は儂にくれようとした物ではないか」

「左様ではございますが

明らかに戸惑っている様子の濃姫を見て、信長はほくそ笑んだ。

「良かろう。気になるのならば教えてやる。実はのう──もう間もなく妹のお市が齢五つの誕生日を迎える。

その祝いとして、そなたの刀を作り直させ、守り刀としてお市に贈りたいのじゃ。

あの者が誕生の折に親父殿から賜った刀は、ふくらの部分が欠けてしもうて難儀な事になっておるようじゃからな」

濃姫は思わず耳を疑った。

からかわれているのかとすら思った。

「殿。いったい何のご冗談でございましょう?」

「冗談ではない。お市は母を同じくする儂の可愛い妹じゃ。その妹の誕辰の祝いに、そなたの刀をくれてやりたいのだ」

……

「その短刀はなかなか良い刃をしておる故、織田家の木瓜紋を入れ、柄と鞘の部分を朱漆塗りの物にでもすれば、今よりもずっと映えるであろう」

し、しかしこれは」

濃姫は動揺を帯びた瞳で、手の中にある短刀を見つめた。

信長がどうしてそんな事を言うのか、まるで理解が出来なかった。

この短刀が自分にとって如何に大切な物かは、彼とてようく知っているはずである。

少なくとも信長本人が所持してくれるのであれば、まだ素直に短刀を差し出せていただろう。

だが、これを受け取るのは彼のまだ幼い妹姫。

それも一度作り直してから贈答すると言うではないか。

信長が本気でそんな事を考えているのであれば、濃姫にとってはショック以外の何ものでもなかった。

「どうじゃ、お濃。その刀、儂にくれるか?」

信長が訊くものの、濃姫は答えられない。

すぐに決断出来るような事ではなかった。

………

信長は沈黙している姫の前で、軽く溜め息を吐くと

「相分かった。暫し時間をくれてやる故、ようく考えよ」

「殿

赤禰はごめんと消え入りそうな声で

Le 29/04/2024

赤禰はごめんと消え入りそうな声で謝って目を伏せた。三津は三津でお見苦しいところをと謝りながら着物を着た。

「寒いのに何でこんなとこで……。」

「体拭くだけやったし台所の方が誰も来おへんって思ったんですけど。」

「すまん……。そっかセツさんと湯屋って思ったけど行けれんのやったな……。」

「そうです。これのせいで。」

三津はわざわざ羽織った着物を滑らせて背中を見せた。晒を巻いてるから肩から少しだけ覗く程度の傷だが,赤禰はそれをしっかり目に焼き付けた。

「あの先鋒隊の人らもですけど何で喧嘩っ早いんですかねぇ。何で武力で何とかしようとするんでしょ?……って奇兵隊に武器が行くように同盟結ぶ手助けした私が言うのもなんですけど。」

三津は手早く着付けながら,独り言として戦はやだなぁと呟いた。

「そうやな。戦は嫌やな。」

その言葉と共に,三津は背後から温もりに包まれた。【改善脫髮】四招避開活髮療程陷阱,正確生髮! - 赤禰の腕がしっかりと三津を抱きしめた。それを理解した三津の心臓は破裂しそうなぐらい激しく脈打った。

「たっ武人さん?」

「そりゃ武器はある方が万が一の時には安心やろうが,その万が一が最初からなかったらいいそっちゃ。」

赤禰の息が首筋にかかった。自分に話し掛けてるようだが,三津にはそれが赤禰の独り言のようにも聞こえた。

「体冷やさんように。おやすみ。」

言葉と同時に解放された三津が振り向いた時には赤禰は足早に台所を出てしまっていた。

赤禰らしくない行動に呆然としていたが,寒さに身を震わせていそいそと入江の待つ部屋に戻った。

部屋に戻れば入江が布団の中で微睡みながらお帰りと言ってくれた。それからすぐに握ってくれと手を伸ばしてきた。

三津は布団に潜り込んでからその手を握った。

お互いにおやすみと声を掛け合って目を閉じた。会話はなくても良かった。こうして近くに存在を感じられるのが幸せだった。

翌日,三津が掃除をしていると高杉と赤禰の言い争う声が聞こえてきた。三津はこっそりその声がする方へ近寄った。

「やけぇそんな生温いやり方が通用せんけぇ今こうなっとるんやろ?話が通じんけぇ武力行使なんやろが。何と言おうとあいつらは絶対征伐しに来るっちゃ。だったら迎え撃つだけやろが。」

「でもその征伐さえなければ争わんで済む。征伐自体食い止める手立ては考えんのか。」

「はぁ……。やっぱりお前とは根本的な話が通じん。」

「それはこっちも同じじゃ。」

赤禰は強い口調でそう吐き捨てて門の方へ歩いて行った。高杉は袖に手を突っ込んで目を閉じて天を仰いだ。三津が声を掛けようか悩んでいたら高杉はふらりと立ち去ってしまった。三津は何を言い争っていたのか事情は分からないがもやもやを抱えたまんま掃除を続けた。

「嫁ちゃん!息抜きに外出ようぜ!」

「山縣さん。……そうですね。是非とも。」

ちょうどいい所に来てくれたなと思った。山縣ならさっきの二人について話が出来る。塾生の頃の話も聞けるはず。

さぁ行きましょうと三津が歩き出そうとした時,山縣が覆い被さってきた。

「ぎゃあ!変態!離れてっ!!」

「許せ!嫁ちゃんが素直に俺の誘いに乗ったんが嬉しいんじゃ!!」

喜びを表すぐらいいいだろうと山縣はぎゅっと三津を絞め上げた。

「あ!?山縣さん何しとるんよ人妻に!!」

三津の悲鳴を聞いたセツが走って来て山縣の後頭部をぶん殴った。お陰で三津は窒息せずに済んだ。

次三津に触ればただじゃ置かないからねと鬼の形相で忠告され,山縣は大人しく二人の買い出しに同行した。

三津は町へ向かう道中で高杉と赤禰が言い争っていた話をした。どんな反応をするのか窺えば,二人はさほど珍しい事ではないと言った。

「疲れたり何か異変があればすぐに言う

Le 01/04/2024

「疲れたり何か異変があればすぐに言うんよ?三津さん無理しそうやから。」

「はーい。」

気の抜けた返事に大丈夫かと心配になるが入江も何の策もなしに三津を連れ歩く訳じゃない。三津の健脚も知っている。あとは精神的な問題だ。

三津は好奇心が旺盛で感受性も豊かだからなんて事のない峠の道でも景色に感動し,そこらに生える草花にさえ興味を持って嬉々とする。

「楽しそうやな。」

「楽しいですよ?人生でこんな旅する事なんてないと思ってたんで。」

そうだ桂と出逢って三津の人生は大きく変わった。こうして知らないはずの世界を知る事が出来たのも桂のお陰なんだ。

『それはそうなんやけど……。』

でも今回は桂のせいでこうなってると言っても過言ではないのでそこを感謝するのは癪に障る。

「それとこれとは話が別っ!」 【改善脫髮】四招避開活髮療程陷阱,正確生髮! -

「えっ何が!?」

「あ……すみません独り言です。」

心臓ばくばくしたと目を見開いて驚く入江にへらへら笑って謝った。入江の怯えたような表情が三津には新鮮だった。

……桂さんの事?」

「はい……こうやって旅して見ることの無かった景色を見られるのは小五郎さんのお陰やけど言い方変えたら小五郎さんのせいやし……。」

「思ったより平気そうにしちょると思ってたけど違ったな。」

「平気な訳ないですよ!信じて待ってたのに……。でも長州の為に必要な事やったって言われたらそれを飲み込むしかないやないですか……。小五郎さんは裏切ったんやないって思うしかないけど……。」

「納得は出来んわな。」

「出来ひん……。出来ひんけどこれだけ九一さんが私の為に色々してくれてるのに小五郎さんを一番にしてる私の方が九一さんに相当酷い事してるやんって思ったらぁっ……!!」

「そっちに行くん!?私は気にしとらんって!そもそも恋仲がおる女に惚れた代償なんやしそこは私が悪いんやけ考えちゃいけん!!」

『そんな自責の念に駆られんでも……。本当に人の事ばっかり気にかけて損な性格やな……。』こっちが勝手に惚れてしつこく口説いてるんだからこちらの事など気にしなくていいのにと思いながら,入江は泣きそうになった三津の頭を撫でた。

「三津さん,これは私が好きな相手がおるのを知っとるのに惚れて勝手な事しとるんやけ迷惑やぐらいに思っとればええんよ?」

「迷惑やないもん。嬉しいもん。九一さんがしてくれる事嬉しいもん。」

三津はとうとう泣きだした。嬉しいと言われたらこっちの方が嬉しいだろうが。ぽろぽろ零れる涙を拭って三津をそっと抱きしめた。

「ありがとう。三津さんのその優しさにどれほど救われたか……。」

その傷は必ず癒やしてあげると心に誓って,入江は三津の手を取りまた歩き始めた。

「景色見てその暗い気持ち消してしまい。それでも消えんのなら抱いて気持ち良くして消しちゃる。」

「最終それか。」

三津は握られていた手で入江の手をこれでもかと握った。

「痛い痛い痛い!ごめん!ごめんて!そんなんせんから!」

三津は謝罪の言葉を聞いて握り潰そうとしたのを止めた。その発想しかないのかと目を釣り上げ頬を膨らませた。

「行きの道中で抱いたら三津さん足ガクガクで歩けんくなるからなぁ。萩まで保たん。」

「阿呆っ!」

三津の拳が入江の背中に突き刺さり鈍い音が響いた。

『眠れなかった……。』

桂は胡座を掻き大刀を抱え,壁に背中を預けた状態で一晩過した。

「あらまぁ目の下にクマなんか作って男前が台無しや。」

広間に朝餉を運んで来たセツが桂の顔を覗き混んだ。

「何や桂さんここにおったんか。三津さんらの部屋で横にならんかったそ?」

欠伸をしながらやって来た高杉を桂はムスッとした顔で睨んだ。

『寝ようとしたさ……。三津の布団で寝ようとしたさ……。』

しかし三津の微かな香りに胸が苦しくなって寝るどころじゃ無かった。その隣りには入江の匂いのついた布団。嫉妬に狂って眠れやしない。その部屋に居るのでさえ苦痛だ。おまけに三津に拒絶された事を思い出し泣きそうにもなった。

三津と入江はどんな一夜を過ごしたんだろうか。気になって悶々とする。

『怒りに任せてとか腹いせにとか三津に限ってそんな理由で体を許すなどない……。ないと思うが……。』

もう自分の知ってる今までの三津ではないとするならその行動は全く読めない。

「セツさん三津はどこへ行ったんですか……。」

お願いだ教えてくれと情けない顔でセツを見る。

大人の男が泣きそうだ。

やる。いまから大事な

Le 26/10/2023

野村あらためジョンは、活髮 意外にも蟻通のいうとおりに子どもらとおなじ木箱に腰をおろした。

 

「話、というのはほかでもない」

 

 蟻通は、全員をみまわした。

 

 島田がいなければ、自然と主導権を握るところなどさすがである。

 

 蟻通は、新撰組では島田同様最古参の隊士である。しかも、永倉や原田や斎藤といった組長たちと同格の実力がある。それなのに、隊士たちの面倒をみるのが面倒だっていう理由だけで、組長にならなかったのである。

 どれだけ近藤局長や副長がすすめても、隊士の方が楽だといい、組長になることをつっぱねた。

 

 ちょっとかわっている。

 

 が、「面倒くさいからヤダ」とか「隊士の方がお気楽だ」なんてわがままをいうのも、状況が許さなくなってきた。

 

 組長クラスが根こそぎ去ってしまい、まとめる者がほかにいなくなったからである。  

 

 つまり、組長にかわるまとめ役が必要になったわけである。

 

 副長も、かれや島田に頼らざるを得ない。実力はさることながら、信頼できる者でないといけないからである。

 

 蟻通もそれは重々承知しているのだろう。

 

 だから島田が不在の場合は、自然とリーダーシップを発揮するのかもしれない。

 

 もっとも、それも周囲が蟻通を認めているだからこそである。

 

 これが嫌われ者とかであれば、リーダーシップをとろうものならソッコーでディスられるであろうから。「土方さんと俊冬のことだ」

 

 蟻通は、シンプルかつスピーディーに核心に迫った。

 

「主計、このあとの戦況を教えてくれ」

 

 かれに頼まれ、今後のおおよその状況を伝えた。

 

「新撰組は、七里浜などで戦った後に弁天台場で籠城、結局はそこで降伏します。いまから一か月ほど後の話です。その数日前の話ですが、蟻通先生、あなたも討死することになっています」

 

 この際だから、蟻通には再度認識しておいてもらおうと告げた。かれは、わかっているというようにちいさくうなずいた。

 

「箱館山で……。回天隊から移ってきたさんとともに、です」

「蟻通先生。場所と時期がわかっています……」

「わかっている」

 

 俊春がいいかけたところに、蟻通はまたうなずいた。

 

 じつは、おなじ時期に弁天台場で隊士の数名が死ぬことになっている。その面子もどうにかする必要がある。

 

「わたしのことは兎も角、土方さんのことを」

「はい。副長は、弁天台場にむかうところで被弾します。そして、そのまま……」

「へー」

 

 って安富、リアクションが「へー」って、いったいなに?

 

 ってか、ほかのみんなも『反応薄っ!』なんですが?

 

 子どもらも、副長が石につまずいて転んでしまった的な反応である。つまり、顔色一つ、表情一つかわっていない。

 

「あの、みなさん驚かないのですか?」

「なにゆえだ?」

「安富先生。なにゆえって、副長が死ぬんですよ。それなのに、『へー』とか反応薄すぎるんじゃないでしょうか?」

「驚いた!」

「おおおおおっ」

「副長が死ぬ?」

「びっくりだよね」

「サプライーズ」

「ファックでシットだ」

 

 大人も子どもも、いっせいにわざとらしいリアクションをとった。

 

 副長が気の毒すぎる。

 

「それで?」

 

 それから、安富が尋ねてきた。

 

 かれは、副長の死よりも愛するお馬さんたちの様子が気になるらしい。

 

 これが、副長の乗る「竹殿」が死ぬかもって告げたのだったら、かれは半狂乱になったにちがいない。

 

「副長は、どうもその死を受け入れているような感じなんです」

 

 まさか、これで「ふーん。それならそれでいいのではないのか?」っていわれたら、おれもその先どう話をしていいのかわからない。

 

 が、全員沈黙している。

 

 一応、いまいったことをかんがえてくれているんだろう。たぶん、であるが。

 

「ならば、簀巻きにして厩にでも閉じこめるなりくくりつけておけばいいではないのか?ようは、そこにいなければいいのであろう?」

「安富先生、まぁそうなんですけど……。たしかに、副長はそこにいないようにすることはできるはずです。問題は、たまがその副長の影武者を務めるつもりだということなんです」

 

 そう告げた瞬間、その場の空気が凍りついた。絶対零度的に凍りついたのである。

そのことをはじめてしった者たちの顔色が、こちらが戸惑うほどかわっている。

 

「かれは、史実にならうために副長のかわりに死ぬつもりです」

「そんなことがあってたまるものかっ!」

 

 怒鳴り声とともに、安富に胸元をつかまれてしめあげられた。

 

 厩の中で、お馬さんたちが怯えて鼻を鳴らしている。

5 bonnes idées de blog pour votre site

Le 26/10/2023

Grâce à votre éditeur de site e-monsite, vous pouvez ajouter différents types de contenu dans vos billets de blog pour accrocher l'attention de votre audience, des photos, des vidéos, des fichiers audios ou même des fichiers à télécharger.

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Le 26/10/2023

Le blog est un très bon moyen de diffuser vos passions, vos idées ou encore vos conseils. Toutefois, la création d'un blog n'est pas si simple. Il est même parfois difficile de trouver une idée. Nous allons donc partager avec vous les 5 bonnes idées de blog pour débuter.